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常念寺所蔵「涅槃図」

およそ200年前の江戸後期の制作、平成2年に本金襴表装に改められました。

 お釈迦様は45年の伝道の旅の最後に、クシナーラの2本並んだサーラ樹(沙羅双樹)の間で入滅されたと伝えられています。涅槃図はその時の様子が描かれたものです。
 南方仏教のパーリ所伝『大般涅槃経』には「そのとき沙羅双樹が、時ならぬのに花が咲き満開となった」とあります。『平家物語』にも「沙羅双樹の花の色、盛者必衰の理を現はす」と綴られています。
 右上部より、お釈迦様を出産後七日目に死去し、天上界に転生した母マーヤー夫人が来降されています。
 『大般涅槃経』に「頭を北に向け、右脇を下につけ、足の上に足を重ねた」と記される通りに描かれたお釈迦様のまわりには、仏弟子をはじめ、国王や諸菩薩、天界の神々のほかに、多くの動物や昆虫までもが悲嘆にくれています。六道輪廻するすべての生あるものへ最後のみ教えを告げられ、涅槃に入られました。

最後のお言葉
 「もろもろの事象は過ぎ去るものである。怠ることなく修行を完成させなさい」

 お釈迦様が身をもって示された、老い・病・死の無常なるありさまが、他ならず私たち自身にも必ず訪れるものであると自覚し、一日一日を漫然と過ごすことなく大切に生きる誓いの日としたいものです。