じ ょ う ど う え
成 道 会
本年は真言宗円政寺を会場とし、成道会法要を執り行いました。(平成26年12月8日)
円政寺参道入口
山門手前には台輪が付された石鳥居(延享2・1745建)が配され、
境内の金毘羅社殿(市指定有形文化財)など、神仏習合の形態が色濃く残される。
石鳥居柱頭部に台輪
数珠の珠に似た形態の台輪は、当寺のような神仏習合寺院の鳥居(明神系)に特徴的に見られる。
台輪は栄西がもたらした中国宋の様式に基づく禅宗寺院の柱に用いられて以降、
寺院建築において広く採用されてきた。
なお、反増(そりまし:端部が上部へ反っている)も、明神系鳥居の典型的特徴である。
金毘羅社社殿
市指定文化財。石鳥居が延享2(1745)建立され、この社殿も天保年間(1830~43)編纂「八江萩名所図画」に見られることから、その頃には建立されていたとみられる。
社殿詰組組物に干支彫刻
戌 亥
酉・申
拝殿正面の大天狗面および拝殿内金毘羅大権現・金毘羅山扁額と天狗面
当寺の現在地には、明治初年まで「放光院」があり、維新後(明治3・1870)に塩屋町にあった円政寺が移転し合併、「円政寺」と改号された。
高杉晋作が幼少期に、放光院内にあった金毘羅社殿の大天狗面を眺め度胸をつけた、という逸話が残される。
伊藤博文もこの寺で読み書きの手習いを受けたとされている。
金毘羅大権現大鏡(総径125㎝)
文政5(1822)奉献の巨大な銅鏡である。
第二次大戦中給出されたものの、平成18(2006)京都において偶然競売にかけられ、買い戻された。
現在拝殿内に見ることができる。
成道会法要風景
中央に本尊地蔵菩薩のほか、薬師如来(座像・金色・総165㎝)、十一面観音(座木像・45㎝)、弘法大師(木像・彩色・28㎝)、愛染明王などが祀られる。
石燈籠(玄武岩・430㎝)
安政5(1858)製、県下最大の石燈籠で、竿部分の龍高彫も見応えがある。
耐震のため、台座の六つの猫足は固定されておらず(内二つは手でも回転できる)、中心部に心柱様が設けられている。