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    「坐禅会」の依頼より

曹洞宗・大覚寺・末益泰輝


 地元の、とある地区の子ども会の行事として、坐禅会の開催を依頼されました。

 参加者は、地区の小学1年生から中学3年生までの子ども8名と、その保護者たち5名の、計13名です。

 毎年、地域の子ども育成会の依頼を受けて、夏休みに一回、坐禅会を開催していますので、「ああ、毎年の坐禅会の感じかな。」と、自分なりに解釈しておりましたら、ちょっと様子が違います。

 この会の責任者に当たる、保護者の方が仰るには、「坐禅の指導を通して、子どもたちに落ち着いた心を持つことを教えて頂きたいのですが、もう一つ、お願いがあります。物の大切さを教えてやって頂きたいのです」とのこと。

 「食事は勿論のこと、文房具、洋服、靴など、当たり前にあるものが、いかに大切なものであるかということを、子どもたちに教えてもらえないだろうか。」という依頼でした。

 率直な気持ちとしては、とても大事なことではあるけれども、本来、保護者、家族の役目ではなかろうか、とも思いました。

 しかし、恐らく、家庭や学校とは違う「お寺」という環境の中で、体験したり聞いたりすることによる効果を期待しての依頼なのだろうと思い直し、お引き受けしました。

 「もの」を大切にするということは、その「もの」の「いのち」を理解し、大切に思うことです。

 それがひいては「私たちの“いのち”は、実に多くの命によって生かされている」という気づきに至るのではないかと思います。

 当日は、私からの投げかけによって、その気づきに繋がればと、考えています。

 開催は来月の日曜日。3時間半の枠で、とのことで、今からあれこれと内容を吟味しているところです。




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