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私の口

浄土真宗・永照寺・松岡 洋之


 先日、小学校一年生になる娘の授業参観に行かせて頂きました。

 授業は道徳。

 その内容は、「ふわふわ言葉」と「ちくちく言葉」。

 相手に対して語りかけるやさしい言葉を「ふわふわ言葉」、反対に傷つける言葉が「ちくちく言葉」です。

 子供たちは、自分が言われて嬉しい言葉、反対に言われると嫌な言葉を、それぞれ発表していました。

 まだまだ幼いとはいえ、子供同士の世界で飛び交う言葉・口調は大人の世界をうつしているようだなぁと感じました。

 友達や家族、周りの人に対して常に「ふわふわ言葉」を使いましょうというまとめで、授業は終わりました。

 お釈迦様は「人は生まれながらにして、口の中に斧を持っている。」と言われました。

 私たちの話す言葉は斧となって人の心を傷つける事があります。

 私も他人を傷つける言葉は使いたくありませんし、使わないように心がけています。

 しかし、やさしい言葉をかけたつもりが相手を傷つけてしまうこともあります。

 何気ない一言で相手の心を傷つけてしまうことがあります。

 その一言で学校や会社に行けなくなった人がいるかもしれません。

 自分の居場所をなくしてしまった人がいるかもしれません。

 「人は生まれながらにして、口の中に斧を持っている。」

 お釈迦様のこの言葉を私自身のこととして聞かせていただき、何事も自分の物差しで測るのではなく、互いを敬うこころで、他者と接する毎日でありたいものです。

 「和顔愛語」という言葉もありますが、やわらかな、にこやかな顔で、やさしい言葉で、新年を迎えられますよう、念じ申し上げます。




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