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    四衆同行(ししゅどうぎょう)

曹洞宗・大覚寺・末益泰輝



 私事ですが、毎月一回、お寺で坐禅会を勤めております。

 始めてから20年近くになりましょうか。

 当初は参加者が一人だけでしたが、続けていくうちに徐々に増え、今では12人の方が参加して下さっています。

 最年長が80代後半、小学生も数人います。男女の比率はほぼ同じ。

 中には毎月30分かけて通って下さる方もいて、本当に有難いことだなぁと感じます。

 朝6時30分から約25分間の坐禅をし、その後、一緒にお粥を頂いて、7時30分ごろに解散、という内容を皆で勤めていますが、特に、お粥を頂くときには、「五観(ごかん)()」という、食事を頂く際の心構えが示されているお唱え文を読み、お粥を頂きます。

 お粥を頂いたら、お茶と一切れのお漬物で自分が使ったお椀を洗い、最後にそのお漬物を食べ、お茶を飲み干します。

 その後、最後のお唱えをして、お粥の時間を終了するのです。

 坐禅はもとより、この食事作法も、経験者や大人の方は手慣れたものですが、それを見よう見まねで取り組んでいる小学生の姿がとても微笑ましく、それを見て「食べる時はお椀は持とうね。」とか、「これはこういう風にすると良いよ。」と優しくアドバイスする大人の方の心遣いが、その場に和やかな雰囲気を生み、毎回とても清々しい気持ちを頂いています。

 仏教の修行の形として「四衆同行(ししゅどうぎょう)」という教えがあります。

 お坊さんのように出家している人、そうでない人、男性、女性、老若男女問わず、みんながお互いに心を配り、助け合いながら、同じ教えを目指して、勤めて行くのです。

 坐禅会を終え、皆さんのお帰りを見送る時、いつもこの言葉を噛みしめています。




音声読み上げ機能については、日本アイ・ビー・エムの「ボイスらんど」のページ(http://www.ibm.com/jp/voiceland/)をご覧ください。