このページは音声読み上げページです。下の[開始]ボタン(右矢印)を押すと、テキストの読み上げを開始します。([開始]ボタン(右矢印)が出ていない場合はここをクリックしてください。)


          去り行く今年


曹洞宗・海潮寺・木村隆徳


 今週は曹洞宗海潮寺がお話し致します。

 今年もあとわずかです。去り行く今年を振り返りますと、大変な年だったとつくづく思います。

 世界に目を向けますと、なんと言っても泥沼化したイラク戦争が気になります。現地に派遣された日本の自衛隊員に犠牲者が出ないうちに撤退を考えてもらいたいものと願っています。

 国内に目を向けますと、地震と台風の被害のひどさです。二ヶ月にわたる避難生活の辛さは想像を絶するものがありましょう。それが終わってもさらに帰る家はなく仮設住宅に移ってお正月を迎えられるわけで、一日も早く元の生活を取り戻されることを願うばかりです。

 国内から更に萩に目を移しますと、今年は萩開府四百年の記念の年にあたり、色々な催しものがなされました。

特に目玉は11月11日にオープンした萩博物館だったかと思いますが、私たち萩市仏教文化研究会でも萩開府四百年を記念した文化講演会を開きました。

講師は私が担当いたしましたが、萩のシンボルであります「指月」についてお話しをさせていただきました。

「指月」という言葉が仏教の言葉だということをご存知でしょうか。もっとも、仏教では「しげつ」と読みます。

どんな意味かといいますと、「指月」の指の字は経典を意味します。月の方は真理を意味します。指で月の在りかを指し示しても、指ばかり見て肝心の月を見なければ意味がありませんが、経典ばかりいじくって説かれている真理を見なければ同じように意味がないことを「指月」という言葉で教えています。

 実は萩の「指月」の意味はそれだけではありません。殿様のお城の意味も持つようになったのです。どのようにしてそうなったのか興味のある方は、来年4月3日に田町商店街で行われる「花祭り」に来てください。じっくりとお教えいたします。

 来週月曜からは真宗・真行寺様のお話しに変わります。

音声読み上げ機能については、日本アイ・ビー・エムの「ボイスらんど」のページ(http://www.ibm.com/jp/voiceland/)をご覧ください。