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人間の力の根源

真言宗・弘法寺・小野普英


 「人は信じることによって激流を渡り、怠ることなく勤めることによって(迷いの)海を渡る。努力して苦しみを克服し、智慧によって(心は)まったく清らかになる」という言葉が、最古といわれます仏典の中に説かれているそうです。

 今日はこの言葉に触れられております著作によりまして皆様とともにその意味をたどっていきたいと思います。

 まず著者自身の説明によりますと、これらの言葉は仏法に帰依して仏道修行を完遂するための心構えを述べたものとされております。

 と申しますますのも「仏法においてはまず信ずる心を起こさなければならない。そのうえで怠ることなく努力し、修行を積んで煩悩を克服していく」ことになるからです。

 さらに著者は「こうして克己ということを経験的に学んでいくことにより智慧が備わり、自我への執着が越えられる。

 そして精神は限りなく純粋に透明になっていくのである。」と修行が深まっていきます過程に触れ「人間の力の根源は信ずることであり、それを体得していくことは一つの大きな智慧である」という見方を示しておられます。

 ところで著者は「強く信ずる心は人をして激流を渡らせるという。激流という表現により仏道修業の厳しさを物語っているがこれは考えてみれば修業の局面ばかりでなく人生の様々な場面にあてはめて言えるのではないか」と述べておられます。

 日常にあって粘り強く物事に取り組む、あるいはゆったりとしたおおらかさの中で信じる心を育んでゆく、そういったことが実り豊かな人生に結びついていくということでしょうか。



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