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          民族の未来を拓く子どもたち

                                      (曹洞宗 玉泉寺住職 末益俊二)


シャンティ山口は、平成5年3月に発足し、北タイ・パヤオ県ポン郡セーンサイ村を中心に山岳少数民族の女性の自立を支援する活動を行っていましたが、村の保育園のお父さん・お母さん達と話すうちに、中学校・高校に進むための学生寮を造る必要性に気づかされました。

平成7年、山口県曹洞宗青年会が県内の曹洞宗寺院・檀信徒の皆様に募金を呼びかけて、土地を購入する資金を集めることができました。

早速、ポンの町に土地を取得し、造成工事に取りかかりました。購入した、田んぼの一部を掘って池にし、その土で、田んぼを埋め立てて寮の用地にしたのです。

平成8年5月に入寮生を募集し、ポンの町に借りた民家でシャンティ寮は始まりました。8月、造成地に廃材を活用した平屋を建て、今の位置に寮の原型が完成しました。

平成9年の1月末に、日本政府の援助によって、今の男子寮が完成しています。今年の春に高校を卒業した子どもたちは、平成8年に中学1年生で入寮した第1期生です。

何もないところから一緒に寮を作り上げてくれたこの子達の「勉強したい意志」や「努力している姿」を周辺のタイ人たちや学校の先生が認めてくださり、今年2月、2度目の援助によって、女子寮、職員棟が増築されました。

山岳少数民族の生活は大変ですが、シャンティ寮を卒業していく子どもたちがそれぞれの村の将来の明るい希望となっています。

民族の将来は、次代を引き継ぐ子どもたちの肩に掛かっています。私たちは、未来を拓く子どもたちを育てるお手伝いができることを有り難く思います。


音声読み上げ機能については、日本アイ・ビー・エムの「ボイスらんど」のページ(http://www.ibm.com/jp/voiceland/)をご覧ください。