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          子どもの目に学ぶ

曹洞宗・大覚寺・末益泰輝


  先日、所用があって、小学3年生の子どもたちを載せて車を走らせておりました所、信号が赤になり停車しました。

 同じように信号待ちで止まっている車があったのですが、その車の窓ガラスが開き、いきなりタバコが投げ捨てられました。

 その光景を見て子ども達が一言、「いけんねぇ」と言ったのです。運転手は50代後半から60代と思しき男性でした。
 
 信号が青になり、目的地に向かったのですが、途中、道路脇を色々見ながら運転しておりますと、駐車場らしき所には、無造作に置かれた空き缶の数々、お弁当の空き箱が入っていると思われるコンビニエンス・ストアのビニール袋などなど。

 発見する度に、子ども達に「見て、あれ。どう思う?」と尋ねましたら、その都度「いけんねぇ、学校で習わんかったんかねぇ」というのです。
 
 子どもの頃には家庭や学校から「これは、してはいけない事である。」ということを教えられ、理解もしますが、大人になってしまうと、ついつい物事を自分の都合が良い方に考えます。

 「自分一人だけなら大したことはないだろう」或いは「誰も見てないし、まあ良かろう」ということで、先ほど述べたようなことをしてしまうのでしょう。

 勿論、全ての人がそのようなわけではないことも事実です。
 
 ただ、子ども達は、大人の言動を見ています。真似もするでしょう。その時に、もし将来子ども達が同じことをした時に、私達に注意や批判をすることが出来得るでしょうか?
 
 当然ながら、子どもの「いけんねぇ」の一言で、サッと車を止めてそのタバコやゴミを拾うことをしなかった私も、その資格はないのですが・・・。
 
 大人である私達も「諸悪莫作・・諸々の悪をなすこと無く」という御仏の教えを見つめ直し、きちんと身を律していきたい今日この頃です。




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