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          一期一会

曹洞宗・大覚寺・末益泰輝


4月も目の前となりました。いよいよ本格的な春です。皆さま如何お過ごしでしょうか。

この季節といえば卒業式や入学式、あるいは進級や入社式などの場面を多く目にすることと思います。私個人の感覚では、目の覚めるような青空の中、桜の舞う風景と共に新しい学生生活への門出。

また進学や就職の為、故郷を離れて新生活を始める人々。期待と不安に満ちている状態、といった印象があります。

さて、このような新たな旅立ちには、新しい「出会い」と共に、必ず「別れ」がついてきます。

これまで共に過ごしてきたクラスメートや仲間との別れ、そして家族との別れ。全く会えなくなるわけではないけれど、なんとなく特別な気持ちになるのではないでしょうか。

かなり極端な言い方をすれば、この「出会い」と「別れ」の関係は、私たちの日々の暮らしにもあてはめることが出来ます。

新たな生命の誕生や「死」という絶対的な別れはもとより、私たちが毎日顔を合わせる家族、或いは友人、ご近所の方、職場の同僚との日常。朝に会い、夕べに帰る繰り返し。

私たちは何となく毎日過ごしていますが,数えてみると一日の内に、莫大な数の「出会い」と「別れ」があることに気付きます。
 
「一期一会・・・生涯にただ一度まみえること。一生に一度限りであること」(広辞苑)

茶会の心得から来る言葉だそうですが、この心持ちで、日常の「出会い」と「別れ」を大切にしたいと思うのです。もっともっと、新たな、そして優しい気持ちで、日々過ごせるそうな気がします。


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