トップ > ネット法話

このページは音声読み上げページです。下の[開始]ボタン(右矢印)を押すと、テキストの読み上げを開始します。[開始]ボタン(右矢印)が出ていない場合はここをクリックしてください。

再び会う

浄土真宗・永照寺・松岡 洋之


 私が萩にご縁を頂いてから10年が過ぎ去りました。

 初めは慣れない土地での生活でしたが、多くのご縁に恵まれて、皆さまのお世話を頂きながら、どうにかこうにか今まで勤めさせて頂いております。

 最近ではお参りをさせていただくご葬儀やご法事も、お世話になった方、可愛がってくれた方が段々と多くなってきました。

 常々、この世に生を恵まれてから、老いる苦しみ、病になる苦しみ、死の苦しみから逃れることはできないと聞かされてきましたので、自分は準備ができているような気になっていましたが、近しい方とのお別れは、いざ直面すると何ともやるせない気持ちで一杯になります。

 何かをしてあげたい、でも、何もしてあげることができなかった自分を知らされるばかりです。

 しかし、お浄土はお釈迦様の説かれた『仏説阿弥陀経』の中で「倶会一処」としめされるように亡き方々とひとつのところでともに再び会えるなつかしい世界です。

 教えに背を向けて歩んでいる、迷い続ける私に届く阿弥陀如来の喚び声は、何もしてあげることができなかったと悔いが残るこの世でのご縁でありましょうが、共にお浄土で出あわせていただく前の大切なご縁でもあるんだよと教えしめしてくださっています。

 いずれ参らせていただくお浄土に皆さまが居られることに安心を抱き、皆さまに続いて私もまた大慈悲の仏にならせていただく道を歩ませていただくことを慶ばせていただきます。




音声読み上げ機能については、日本アイ・ビー・エムの「ボイスらんど」のページ(http://www.ibm.com/jp/voiceland/)をご覧ください。