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           仏教に出会う

                          (浄土真宗・長泉寺・木村智徳


宗教とはいったい私達にとって何なのでしょうか。

宗教の「宗」の字は「ムネ」とも読みます。「ムネ」を身体で言いますと「胸部」・「胸」であります。家の建物で言いますと棟上というあれが「棟」です。また、文章等の一番大事な所を「おおむね」と言います。このように、みんな大事な所を「ムネ」と言うわけです。

ですから宗教とは私が一番大事にしている教え、私が一番大事にしている考え方、これを宗教と言うのです。

世界中にはたくさんの宗教があります。イスラム教・キリスト教・ヒンズー教といった有名な宗教のほかにも数え切れないほどの宗教があるわけです。

ところが、どの宗教を信じても結局最後はみんな同じではないかと言う人がいます。そういう人はおそらくどんな草を見てもここに雑草が生えている、と言う人でしょう。

亡くなられた昭和天皇さまに宮内庁の職員が「天皇さま、宮内庁の回りの雑草をとっておきました。」と申し上げました。すると天皇さまは植物学者でもありましたから、「君々ねえ、雑草という草はありません。草には一つ一つみんな名前があるのです。みんな一緒にして雑草と呼んでいるが、そりゃ、自分が草の名前を知らんだけのこと、自分の無知をさらけ出しておるだけのことです。」と言われたそうです。

宗教はどれを信じても同じようなものなんていっている人は、一つ一つの特徴を見ようともしないで、まとめて雑草と言っているようなものです。

いろいろな宗教がありますが、私達の生き方を考える上で心の支えとなる物は何なのか。それを教えてくれる宗教こそが真の宗教であり、「ムネ」とすべき教えなのです。

私達は数多くある宗教の中で仏教に出会ったわけです。私が本当に仏教徒であって良かったなと思えたとき始めて真の宗教を得たことになるのです。 


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